計上漏れ、二重計上とは - 経理のよくある計上ミスの原因や対策について

計上漏れ、二重計上とは-経理のよくある計上ミスの原因や対策について

経理業務の中でも特にミスが発生しやすい計上漏れや二重計上は、会計において重要な問題とされています。虚偽申告となり重大な違反となり得るため、これらの計上ミスを防ぎ、正確な会計処理を行うことが求められます。本記事では、これらの計上ミスの原因や防止方法について解説します。

計上漏れとは

計上漏れとは、取引が会計処理で漏れてしまうことです。例えば、企業が購入した商品や製品などが会計処理で記録されず、資産として反映されないようなことが計上漏れに該当します。
売上や雑収入の計上が漏れていた場合、税務署から重加算税が課される場合がありますが、これは隠蔽や仮装といった故意の行為があった場合のみとなります。そのため単純な経理ミスや処理上のミスでは重加算税は課されませんが、他の付帯税が課されることがあります。

二重計上とは

二重計上とは、売上や経費で同じ項目を誤って2回計上して起こる問題です。例えば、クレジットカードで決済すると「売上票」「領収書」の2つを受け取ることが多いですが、その両方を経費として扱ってしまうと、二重計上となります。もし売上を二重で計上してしまった場合は、該当する取引の売上が2倍になってしまいます。これらの二重計上は、売上の場合は「粉飾決算」、経費の場合は「脱税」をしているのではないかと疑念を抱かれることがあります。

計上漏れと二重計上が起こる具体例と原因

具体例

計上漏れや二重計上にはさまざまな原因があります。まずは具体例をいくつか挙げて説明していきます。

請求書を再発行

経理業務では数多くの請求書を受領するため、誤って請求書を紛失してしまい、取引先に再発行を依頼することがあります。その場合、再発行後に紛失した請求書が見つかり、紛失した請求書と気付かずに同じ取引を重複して処理してしまう可能性があります。

書式の似た書類を計上

取引先とやり取りを行う資料として、名称は異なりますが内容は似ているものが存在します。代表的なものとして「見積書」「納品書」「請求書」等が思いつくのではないでしょうか。
多くのケースでは請求書を取引の根拠書類として用いますが、見積書についても重複して計上してしまうのは比較的起きやすいミスです。

仕掛品、貯蔵品の見逃し

会社で保有している資産やビジネスとして取り扱っている商品数が多い場合は、在庫の数を間違えてしまうことが考えられます。特に、自社で製造途中の製品である「仕掛品」や製品の原材料などの「貯蔵品」は、在庫棚卸のカウント対象から外してしまいがちですが、こちらも棚卸資産として計上しなければなりません。

自社以外にある在庫の見逃し

計上すべき在庫は、自社の倉庫だけにあるとは限りません。例えば、「仕入先や販売先、外注先にある在庫」も所有権が会社にあれば計上する必要があります。また、注文済みだがまだ届いていない「未着品」や、逆に発送した商品がまだ取引先に到着していない「トラック在庫」も在庫として計上しなければなりません。

原因

計上漏れや二重計上が起こる原因は人的なミスやチェック体制上の問題など様々です。ここではよくある原因を挙げていきます。

担当者の知識・経験不足

経理担当の知識が不足していると、たとえば勘定科目を間違えたり、計算を間違えたりするミスが起こります。

作業量や業務の複雑性に見合ったチェック体制の欠如

企業規模が大きくなるほど経理の作業量は増え、業務も複雑化していきます。その結果、ミスが増大している可能性は否定できません。
経理業務は細かい作業が連続することが多く、集中力が低下したときにミスが起こります。誰しも集中力に波があるのは当然のことです。
十分なチェック体制がなければ、このようなヒューマンエラーを予防・発見できず、重要な問題に繋がりかねません。

マニュアル不備

作業手順が明文化されていないと、連携ミスが発生したり必要な作業が漏れたりして計上されないケースがあります。

計上漏れと二重計上を防ぐための対策

計上ミスを発見する方法

計上ミスは軽微なミスから発生しますが、重要なミスに気が付かないまま決算を行うと虚偽の申告となり、重要なミスが積み重なると「不適切会計」になってしまいます。これらの計上ミスを発見するためには日々のチェック業務がとても大事です。

確認作業を自動化するツールの活用

確認作業を自動化するツールを活用することで、ミスの早期発見を行うことが可能です。

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預金通帳と総勘定元帳の照合

取引には最終的に必ず入出金が伴うため、預金通帳と取引記録(総勘定元帳)との照合作業を行うことで計上ミスの有無を発見することができます。

領収書の控えと総勘定元帳の照合

現金回収分は領収書の控と売上計上記録(総勘定元帳)との照合作業をすれば計上ミスを発見することができます。

複数人により残高試算表を毎月確認

毎月、残高試算表をチェックすることにより、二重計上を見つけやすくなります。例えば金額の変動が大きい損益計算書科目があれば、二重計上や計上漏れが発生している可能性があります。また一人でチェックすると見落とす可能性もあり、複数人が目を通すことでより正確にチェックすることができます。

防ぐための継続的な取り組み

体制を整えるには時間と労力がかかるため、なかなか始めるのが難しいかもしれません。しかし長い目で考えると、結果として得になる可能性が高いため、早めに実施するのが理想です。

領収証・請求書には付番を行う

領収証・請求書にて経費精算を行う場合は、必要書類と共に精算のための証憑を作成する必要があります。経理システムへの入力時に、これらの証憑の番号や請求内容も入力するようにしたり、領収証には付番を行って発行したり、誤記入などした場合は×印を付けて適正に取り消し記録を残すなど、重複しないような業務フローを習慣づけると有効です。

売掛金・買掛金のチェックを定期的に行う

未収金や未払金については、月に1度以上その進捗をまとめて確認するようにしましょう。担当者に確認し、その履歴を残しておくことで、特別なケースなどの情報共有もできますし、二重計上だけでなく売上の未回収や費用の支払漏れを防ぐことにもつながります。

在庫管理方法と棚卸フローを仕組化する

在庫管理については、少なくとも月に1度はチェックを行うようにしましょう。また、実地棚卸についても四半期に一度等に確認することで、在庫の二重計上だけでなく、不正な持ち出しや横領を防ぐといったことにもつながります。

ミスを防ぐ体制を整備する

具体的にどのような内容をチェックするかマニュアル化して定め、その通りに管理できるように体制を整えましょう。具体的には以下のような施策例があります。

  • 企業・部署としての統一ルール作成
  • セルフレビューに使うチェックシートの用意
  • 負担削減のための人員補充や業務効率化ツール導入
  • 複雑な作業の簡略化
  • 不要な作業の廃止
  • 経理業務の一部自動化

まとめ

二重計上や計上漏れがあると、自社の資金繰りに影響するだけでなく得意先にまで迷惑がかかってしまいます。企業にとって、計上漏れや二重計上が発生した場合は、すぐに是正措置を講じることが重要です。さらに、これらを防止するためにも、マニュアルの見直しやチェック業務体制を強化することが必要です。